「おひとりさま相続」とは?

「おひとりさま相続」とは、どういった方の相続のことでしょうか。

結婚したことがない方、離婚や死別して現在は一人暮らしの方、頼れる親族がいない方や、親族に迷惑をかけたくないので頼りたくない方など、高齢で一人暮らしをされている方の理由はさまざまですが、そうした方の相続は「おひとりさま相続」になる可能性があります。

一般的には法定相続人がいない方の相続のことを言いますが、まったく連絡を取っていない甥や姪等が相続人であった場合には、亡くなった方の財産を把握していないケースがほとんどでしょうから、財産は相続されないままになってしまうかもしれません。
※法定相続人とは、配偶者や子(その子や孫等)、父母や祖父母、兄弟姉妹、甥姪が対象です。

また、近くに頼れる人がいない場合には、高齢になって身体が思うように動かなくなった、認知症等で判断能力が不十分になったといった時に、日々の生活において対応できず困ることがでてくるでしょう。

少し先のことや死後のこと、その時になって慌てず対応できるように元気なうちから対策をしておくこと。当センターではそうした対策すべてを含めて「おひとりさま相続」と考えております。

5つの対策

まずは自分にどのような対策が必要か考えてみましょう。

どのような困りごとがあって、どのような財産があるか考えてみる時、ぜひエンディングノートを活用してください。
エンディングノートに法的効力はありませんが、どのような手続きを希望するか細かく記載できますし、何度でも自由に書き直したり書き足したりできますから、「いま」の自分の考えを常に残しておくことができます。

今後困るであろうことが見えてきたら、以下のような対策を検討していきます。

①遺言作成・遺言執行者指定

自分の死後、誰に・どのように財産を相続してもらいたいか遺言として残しておきます。
遺言の種類は、きちんと有効なものであれば、自筆証書遺言でも公正証書遺言でもかまいませんが、遺言を残す時に何よりも大切なことは、死後必ず遺言が開示されることです。せっかく遺言を作成しても、誰にもその存在を知られていなければ意味がありません。
また、遺言の内容を確実に実現するために遺言執行者も定めておいた方がよいでしょう。そうすれば確実に遺言の存在も関係者に通知されます。

②見守り契約

見守り契約は、後述する任意後見契約や財産管理委任契約と合わせて契約締結し、契約受任者が後見開始や財産管理開始を見極めるために、定期的に委任者の状態を確認するための契約です。
認知症が進行して任意後見を開始していなければならないのに適切な時期に開始できなかった、そういった事態にならないように見守り契約を結びます。

③任意後見契約

判断能力が不十分になった時に備えて、事前に後見契約を結んでおきます。任意後見人は、財産の管理や、生活・療養看護に関する事務手続きを本人に代わって行います。
任意後見人は家庭裁判所により監督され、適切に後見事務を行っているか常に報告する義務があります。また、後見人として登記されますので、登記事項証明書によって本人の代理人である証明が可能です。本人が委任状を書けない状態になってしまった場合、このような証明書がないかぎり、本人の代理人であることの証明は不可能ですから、後見制度を活用して、金融機関や行政の手続きを円滑に進められるようにしておけば安心です。

④財産管理委任契約

判断能力は十分にあるけれど手足が不自由になって動けなくなった時に備えて、財産を管理する人を契約で定めておくことができます。
上記③の任意後見契約は、判断能力がなくなった場合に備えた契約なので、そうならない限り後見開始とはならず、今すぐ契約効果を発動させたいという時には不十分です。
契約する相手、受任者となる方は、財産管理を任せられるくらい信頼できる人でしたら誰でもかまいません。そして、契約の発動時期は「出歩くのが難しくなった時」など、本人と受任者の間で自由に決められます。
ただ、財産管理委任契約のデメリットは、第三者による不正チェックがないことです。任意後見と違い裁判所が関与しないため、基本的には受任者の業務をチェックするのは本人以外にいません。

⑤死後事務委任契約

任意後見契約や財産管理委任契約は、本人が死亡したら終了します。本人が亡くなると代理権が消滅してしまうため、死後必要になる多くの事務手続きを代理することができません。
こういった状況に備えるのが死後事務委任契約です。
本人から委任を受けていることがきちんと証明できれば、葬儀から納骨までに必要な事務、医療費などの支払い、家財の処分、死亡届・健康保険・年金事務所への届出等行政への届け出、残されたペットを託す先を探すことまで、死後事務委任契約で備えることが出来ます。
注意しなければならないのは、相続の手続きは死後事務の範囲内ではないということです。相続に関しては遺言によって別に定めておかなければなりません。

このような対策を組み合わせていざという時に困らないようにしておけば、将来への不安や心配がぐっと減り、安心して「いま」を過ごすことができるようになるのではないでしょうか。
少しでも不安を減らしたい、そんな時にはぜひお気軽にご相談ください。

料金

任意後見契約書作成サポート110,000円(税込)~
任意後見人就任月額33,000円(税込)~
死後事務委任契約書作成110,000円(税込)~
※委任内容による
死後事務履行時報酬330,000円(税込)~
※委任内容による
公正証書遺言作成サポート66,000円(税込)~
遺言執行者就任は別途加算
※遺言内容による
遺言執行時報酬330,000円(税込)~
※遺言内容による

詳しくは「料金」ページをご覧ください。

当センターでは、初回の無料相談から遺産相続に関する手続代行サポートまで、親身にお手伝いをさせていただいております。まずはお気軽にお問い合わせください。